私は無知なんです。

知ったこと思うことを淡々と綴ります。



おすすめマンガ「うさぎドロップ」。共通点ありすぎてわかるわー

4年ほど前にアニメ、映画化されて話題になったので知っている人は多いはず。

僕も主人公のダイキチと共通点がありすぎて、いちいち共感していました。正直バイブル的一冊です。(ただし4巻まで)

 

今でも時々読み返す思い出の作品です。

 

「うさぎドロップ」について

あらすじ

祖父の訃報で訪れた祖父の家で、30歳の独身男、河地大吉(ダイキチ)は一人の少女と出会う。
その少女、鹿賀りんは祖父の隠し子であった。望まれぬ子であったりんを施設に入れようと言う親族の意見に反発したダイキチは、りんを自分が引き取り育てると言った。こうして、不器用な男としっかり者の少女との共同生活が始まる。

Wikipedia

子供と一緒に生きる「生き方」を男性目線で描いています。ほのぼのとした日常の中にあるありふれた気持ちがとても共感できるんです。

一応少女漫画でありながら、あっさりしたタッチの絵で男性でも読みやすいと思います。

子供をコスパで考えてしまう人は読むと少し価値観が変わるかもしれませんよ。

 

1~4巻が幼稚園~小学生低学年編で、いわゆる第一部。

5~9巻が高校生編で第二部。

10巻は番外編となっています。

 

僕はやっぱり1~4巻の雰囲気が好きなんですよね。アニメや映画も第一部のストーリーです。

 

 

僕とダイキチの共通点

・いわゆる父子家庭の生活環境

・娘と血が繋がっていない

・本人の過去や考え方

・子育てのために職を変えたこと(ダイキチは部署移動で済んでますが)

・父親目線の娘への感情

 

などなど性格や環境も含めて似ている部分が多いとすっごいわかるわーってなるんです。

 

 

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わかるわー

やれ女性の社会進出やらイクメンブームだの言ってもね、ほとんどの庶民には関係のないお話なんですよ。

会社に託児所があったり、育休を気兼ねなくとれたり、在宅勤務できたりなんてまじで別世界のおとぎ話のような話なんです。

 

僕もまだ定時で帰るという選択肢がしばらくできただけ、ものすごく恵まれた環境だったと思います。それも長くは続きませんでしたけど。 

 

 

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わかるわー

ただ年をとると涙もろくなるって訳じゃありません。

年齢と共に積み重ねた経験により、実体験に基づいて同調共感ができるようになる。

同情できる人っていうのは、相手の気持ちに同化できるかどうか。

僕も自分のことばかり考えていた独り身時代のまま年齢を重ねたら、どこか冷めた人間のままだった気がします。

 

他人の子供が苦手なのは今も昔もそう変わってはいません。

でも子供嫌いだからと言ってベビーカーが邪魔だとか、うるさい子供の声に自分本位な考えだけを押し付けることはなくなりました。

これはどこか別次元の話だった育児という世界に僕が踏み込んだからでしょう。要は自分の世界が広がったのです。

 

結局人は自分中心に物事を考えます。他人を思いやるにはその自分の世界を広げるしかありません。自分の世界と他人の世界が交わったとき初めて思いやれるのではないでしょうか。

 

 

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わかるわー

子育てをしながら「自分が育てられている」という感覚。

誰もが持つこの感覚を、ありふれたエピソードとともに描いています。

 

最初から完璧な親なんていないんですよね。

手探りで綱渡りな毎日を共に過ごしていくことで、少しずつ、ほんとにすこーしずつ長い年月をかけて「親」にならせてもらっているように思います。

 

ふと落ち着いたときに、数年前の自分じゃ考えられないなと思う時もしばしばあります。手を繋いで果てしない長い道を一緒に歩いて行っている感覚です。

 

 

育児は犠牲という考え方

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母親に「犠牲」を払って育てたを言われたダイキチ。

 

確かに多くの人が一度は考えるんじゃないでしょうか。

子供がいなかったらあんなことやこんなことができたんじゃ…と思ったことありませんか?

真面目な人ほど、もし子供がいなかったらなんて想像する自分に自己嫌悪するかもしれません。

 

でも、それは考えていいと思うんです。

実際カネや時間は吸い取られます。これはまぎれもない事実。合理的な考えを主流とする人が増えている昨今、それを犠牲と思うのも無理ないと思います。

 

しかし例えば子供や結婚をあきらめてキャリアを選んだ人は犠牲がないか?というとそんなことないですよね。後悔している人もいっぱいいます。

 

どちらを選んだにせよ、得るもの、手放すものはあるんです。どうせなら得たものの方に目を向けませんか?

数字に置き換えられて分かりやすいカネや時間を大切にするコスパ理論も分かります。けれどもそれは同時にかけがえのないものを失っているのも紛れもない事実なんです。

 

 

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わかるわー

迷いながらも日々のちょっとした幸せを糧に前向きになっていくダイキチ。失ったものは大きいけれど、そう思わないと前に進めないのも確か。

 

 

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そして「犠牲」とは違うんじゃないかと感じはじめます。

 

各家庭によって子育てで「得たもの」は違うかもしれない。

絆であったり笑いであったり繋がりであったり。もしくは今はまだ分からなくて、何年後かに気づくものかもしれない。

 

それでもカネや時間や労力に置き換えられない、目に見えない「得たもの」は確かにあると思います。

 

 

それでもダイキチにはなれない

共通点が多くて、共感できる部分も多いとはいえ、現実はダイキチのようにはなかなかなれないです。

僕はダイキチほど大人の対応をできないし、当たり前だけど子供もマンガのようにはいかない。愚痴や弱音も吐きたくなる時もあります。

 

そもそも女性作者の少女漫画なので、理想の男性像が描かれているように思います。男から見てもかっこいい男性なんですよね。子供であるりんも、しっかりしていてまさに理想的な親子なんですよ。だから応援したくなる。

 

現実はマンガのようにはいかないけれど、ある種理想の形を見せられたような気持ちにはなります。

迷いながらでも育てて、育てられて憧れのダイキチ達のように生きていければいいなと思います。

 

 

第二部以降について

一応「うさぎドロップ」は少女漫画なのですが、ダイキチとりんのほんわか物語は男性にもおすすめです。画風もいかにもな少女漫画っぽくないですしね。

 

5巻以降は急に高校生になったりんの目線での恋愛路線になるので、少し物語が違ってきます。8巻までは嫌いじゃないですけど。

9巻で物語としては完結し、10巻は番外編といった内容です。

ちなみにラストの9巻は賛否両論ですが、僕も大方の意見と同じで「なし」ですね。

 

大好評だったアニメも4巻までの第一部ですし、アニメから見ても楽しめると思いますよ。

アニメならhuludTV でも全話見られます。