人生がどん底でどうしても一歩踏み出す勇気がない人へ
20代の頃、自分は今どん底だと思っていた時期がありました。
基本的に几帳面気味で、真面目な僕は子供を抱えてこの先どうやって生きていこうかと悩み、うつになりつつありました。
「決して立ち止まるな」
「目標、理想を思い描きそれに向かって突き進もう」
そんな景気のいい言葉を真に受け、常に上昇志向でいられるほど人間って強くないですよね。生きていくのに精一杯の人達は大勢います。
失敗や将来の不安や逃げ出せない悩みを抱えて、今自分はどん底だと思っている人。
より上を目指すために、成功した人のマネをしたり、本を読んで真似をしたりしても才能をいう言い訳で諦めていませんか?そう思ってしまって最初の一歩が踏み出せないのはよくあることだと思います。
「よく今がどん底だと思えば後は上がっていくだけ」
これがまるで名言のように言われていますが、立ち止まっていたんじゃ結局落ちるんです。今がどん底だと思ったところで、それより底は現実にあるんですから。
他人を押しのけてでも上に行きたい。そういう人が確かに成功するんだと思います。でも上を向くことさえ難しい精神的状況もあるんですよね。
そういう時は、逆に下を向いてみるのも大切だと思うんです。
失われつつある自信が沸いてくる
本でもテレビでもネットでも、もしくは実際目のあたりにしてもいい。もっと悲惨な状況の人を見たり聞いたりすることで、自分がどれだけ恵まれている環境か気づかされます。
この自尊心はその「もっと悲惨な人」と比較をしての相対的なものですが、その比較をしちゃダメだなんて思う必要ありません。自分のほうがましだという勝利感を持つことは醜いことじゃないんです。
そうすることで少しでも自信を持つことは自分にとって悪いことではないんですから。
自信を取り戻すことができれば少しでも自分が好きになって、ほんの少しでも上を向くことができるのではないでしょうか。1mmでも前に進むきっかけがあれば、それ以上沈まなくて済むかもしれません。
頑張りを見習うことで頑張れる
自分より悲惨な環境でどうにもならなくても、もがき続けている姿を見て、共感して応援します。それにより自分も頑張らなきゃと思えるようになるんです。
これは相手より先に今の状況から抜け出すぞという競争心というよりは、仲間意識な気んですよね。全く面識がなく、ネットやテレビで知っただけの人にさえ仲間意識を持つことで一緒に頑張ろうという気持ちになれるのです。
僕がどん底の精神状態から抜け出せたのは、ある父子家庭の人のブログでした。
その人は妻と離婚し、両親にも頼れずたった一人でお子さんを育てていました。ブログの内容はよくある「パパの子育て幸せ日記」みたいなものとは正反対。
別れた妻への愚痴にも似た感情や、日々の辛さの赤裸々な気持ちを語っていました。もちろん明るい内容も時折ありましたが、主な内容がネガティブなものが多いせいか読者から「こんな暗い内容読みたくない。もっと楽しいブログを期待していたのに」みたいなコメントが多く寄せられていました。
でも僕はその人の大変さや頑張りが愚痴の部分にこそ隠れ見えていて、毎日読んでいました。同じように頑張りたいと思えたんです。葛藤しながら頑張っている姿が自分に重なったんでしょうね。ちなみにその人は数年前に再婚してブログを削除したそうです。
ただただ楽しく子供と暮らしている。今日はこんな料理を作りました!みたいなポジティブな日記は飽き飽きなんです。その裏の心の本音の葛藤を読むことで逆に勇気が湧いてきました。ああ自分だけじゃないんだって。
誰にも相談できずに悩んでいる人も、直接関わらずとも仲間意識を持つことで精神的に下向きから前向きに少しはなれるのではないでしょうか。
そしてそう思える人は優しい人だと思います。他人に同情できるほどの経験を持っていることは十分長所であり武器なのです。
最初の一歩だけで道はできる
前向きになって一歩踏み出せればいずれ上を向くこともできます。
最初の一歩の方向はたくさんあると思います。方向が間違っているかどうか今の時点で分かる人などいません。
ただ一歩を踏み出せば、自然ともう片方の足がもう一歩踏み出します。それがいつの間にか続いて道ができるのだと思います。