私は無知なんです。

知ったこと思うことを淡々と綴ります。



生配信中の火事はある意味いい教材になった

 

実際にこの動画を見た時は恐ろしくてたまりませんでした。

ボヤで済んだならほっとするものの、完全な火事に発展しています。

 

こういう言い方をしては申し訳ないですが、これが演出ならまだしも「リアル」が故に、見事なまでの反面教師的な教本動画になっています。

火の恐さを改めて知るいい機会になりました。

 

 

動画の概要

10月4日に生配信中の40歳の男性が配信中に火事を起こしました。時々聞こえる機械的な音声はリスナーのチャットをコンピューターが読み上げているものです。

0:00~ 

まず目につくのがくわえタバコ。途中灰がテーブルに落ちようがおかまいなし。

見た目の印象もよくないですが、まわりにはダンボールやゴミなどの可燃物がいっぱい。

 

落とした火種からの引火はタバコが原因の火事の10%近くを占めています。

てっきり動画を見始めた時はこのタバコが火事の原因なのかと思っていたのですが、直接的な原因ではありませんでした。

ですがこの時点で彼の火に対しての認識の甘さがうかがえます。

 

2:00~

100円で買ったというオイルマッチの使ってみようとしています。

くわえタバコのまま、オイルを扱っている時点でまるでミッションインポッシブルを見てるかのようなハラハラ感です。最低でもタバコの火を消してからやろうぜと思ったのは僕だけではないはずです。

 

そしてオイルをいれすぎてこぼれまくりのオイルマッチをティッシュで拭いて、そのティッシュを後ろのビニールのゴミ袋にぽいぽい投げ込んでいきます。

そもそもゴミ箱ってないのでしょうか?鉄製か最悪プラスチックのゴミ箱でもあれば、その後の惨事もましになっていた可能性もあります。

 

4:45~

オイルで本体がびちょびちょのまま、点火を試みようとする。

結果は言わずもがな、マッチの方だけではなく、本体が炎で覆われます。オイルの危険性を全く分かっていません。

 

本体に火がついて流石に彼もあわてたようです。

パニくった彼は火が消えたばかりのマッチ棒をゴミ袋に投げ込み、大きく燃えた本体を飲みかけのお茶で必死に消しています。

オイルが染み込んだティッシュという最高の素材の中に火種を放り込む、という最大の愚行を犯してしまったのは、目の前の本体の火に相当慌ててしまっていたのでしょう。

 

5:15~

リスナーの「うしろーうしろー」という声がなかったら気づくももっと遅れたかもしれません。

ゴミ袋の火に気づいた彼はゴミ袋ごと部屋の広い方に移動させます。そしてその後ダンボールで火を叩き消そうとしますが、消えません。

なぜ燃えやすいダンボールで消そうとしたのか?この時点で布団で覆うなりしておけば鎮火していたように思えます。しかし布団が焦げるのが嫌だったのでしょう。火の広がりを甘くみていたとしかいいようがありません。

 

5:50~

これは水で消すしかない!と思いたったのでしょう。2階であろうその部屋から階下まで降り、洗面器に水を汲んできます。

ところが相当パニックになっていたのか、ダンボールを火の横に置いたまま行ってしまいます。これでは完全に燃料を投下しただけ。リスナーの「なぜそこに置いたし」という声が悲しく響きます。

 

6:20~

彼が戻ってくる僅か30秒間で、ダンボールを燃料にあっという間に天井まで届くかの勢いで燃え広がる炎。これは本当に見ていて血の気が引きました。

手にした洗面器のわずかな水では当然消火に至りません。

ようやく布団での消火に踏み切ります。最初にそうしてれば…。

布団での消火ですが、ただただ布団を持って火を叩いているだけ。これでは余計に火が煽られて燃えるだけですよね。せめて覆いかぶせればよかったかもしれません。

 

6:55~

けたたましい警告音と共に、「火事です火事です」という警報機の声。

それに気を遣ったのかPCのマイクを抜く配信者。そんなことしてる場合じゃないだろと突っ込みたいです。しかもマイクだけ抜いてそのまま放送は続きます。

再び布団を燃えやすいように置いたまま水を取りにいきます。

 

7:30~

同居人?もかけつけ水をかけますがもはや鎮火する気配はありません。鍋などを使って水をかけていますが、この家には消火器はないのだろうか。

 

10:00~

もはや部屋は煙で充満し、どうしようもなくなった(恐らく画面外で火は燃え続けている)ため、放置となる。やがて部屋は煙でなにも見えなくなり、最後はPCのコードでも焼き切れたのだろうか、プツリと動画が途絶えます。煙の中でうっすら灯り続けていた炎が印象的でした。

 

 

初期消火と消火器の重要性

この動画を冷静に見られている今だからこそ、ダメだしはいくらでもできます。

ただ実際に彼の立場になったら焦らずに行動して対処できたという自信は完璧にはありません

ですが今回の彼の行動を見ることによって、誰もが自分だったら…と頭の中でシミュレーションしたでしょう。今後似たような場面に出くわしても対応できる気がします。

 

また、この動画が出回ってから、消火器が急に売れているようです。ある意味本物の炎上商法ですね…。

消火器がないご家庭はこれを機に用意して、置いてある場所と使い方の確認をしておきましょう。すでに持っていても古いものだと使えない場合もあるので使用期限を確認しましょうね。(大抵の消火器は使用期限約10年です)

 

 

配信者のその後

地元の新聞ではこのように出ていたようです。

・新居浜で住宅の一部焼く
4日午後0時45分ごろ、
新居浜萩生、契約社員 〇〇さん(68)方から出火、
木造2階建て約125平方メートルのうち2階の部屋など約37平方メートルを焼いた。
〇〇さんの妻(73)と長男(40)、近所の親戚の女性(62)がやけどなどのけが。
新居浜署によると、〇〇さんは4人暮らし。
署は、2階で長男が火の付いたオイルライターを誤ってごみ袋に落とし、
燃え広がったとみている。

死亡者や重傷者がいなそうでなによりです。

とはいえ、家も3分の1が焼けご近所にも迷惑をかけた本人は今頃猛省でしょうね。とりかえしがつかないことをしてしまったと後で嘆いても戻ってこないんです。

 

僅か1日でYouTubeの再生数400万を超えた彼は悪い意味で有名人になってしまいました。海外でもニュースになっています。

同時に世界中の人々に改めて火事への危機管理を考えさせることをさせたと言ってもいいでしょう。

 

僕も改めて火の恐さといざという時の対処法を考えることができたと思います。悪い例の見本のような動画なので、ある意味教材になりました。